完全無欠なアイドル様のヒミツ【紅一点】 (ページ6)

今日:26 hit、昨日:16 hit、合計:16,010 hit

5話　少しでもページ6

振付師『はい、じゃあ始めるねー。』

練習室に戻ると、すぐに今度のライブのバックで踊る振り付けの練習が始まった。

SnowMan…今はまだその名前じゃないけど、やっぱり、SnowManのアクロバットは私なんかよりも本当に凄くて。
悔しかった。
けど、こういう時は、努力で追いつく。そう決めてるから。

『佐久間くん、アクロバット教えてください。』
佐久間「…わかった。」

アクロバットは佐久間くんが一番軽やかで、無重力みたい。
だから、佐久間くんから教われば間違いない。
そう思った。

佐久間「…でね、ここはふわっと桜が舞うみたいにバク宙して。」
『…桜。』
私は何度も見た、あの滝沢歌舞伎のドカ桜を思い出す。
あの瞬間をDVDで見た時、感動したんだよね…。
こんなに華やかで、儚いののがあるのかって。
…そんな感じでやってみるか…。

ﾌﾜｯﾄｽｯ
『…どう、ですか？』
佐久間「…いいよ、凄くいいと思う！
るるちゃんは、飲み込みが早いね。
この調子で練習したら、もっと上手くなれると思うよ。」
『ありがとうございます。』
佐久間「じゃあ、次のところも練習しよっか。」
『はい。』

そのあとしばらく練習して、夜になっちゃったから切り上げて、帰ってきた。

照「おかえり〜。」
『ただいま！』

照「どうだった？」
『…アクロバットがまだ上手く行かなくて。でも、佐久間くんに教わってだいぶ納得のいくものになってきたと思う。』
照『そっか。…佐久間、すごいでしょ。
アニメオタクだし、普段ふわふわとオラオラ混ざってて意味わかんないけど、
ダンスし始めた途端に、別人みたいになって。
…あいつら、決して悪い奴らじゃないから。少しずつ知っていけばいいよ。
『…うん。』

お兄ちゃんのいう通りだ。
決して悪い人じゃない。それはよく分かってる。

だからこそ少しでも、ここにいられたら。
そう望んでしまった。